ありがとう。

そう伝えたいのです。
1匹の猫に。

大島弓子さんの漫画が好きなんですが、これが児童、生徒の頃はまったく受け付けませんでした。
もう嫌いで嫌いで、いや、嫌いというか、読むのが辛かったんでしょうな。
リアル少女だった頃には、大島さんのお話しはあまりにも痛々しく、読めなかったのです。

でもいつの頃か、大島さんと「サバ」という飼い猫との淡々とした日常漫画を描き始めて、これはエッセイ漫画が好きだったんで、あんまり抵抗なく読み始めたのですよ。

サバと大島さんの、澄み切った冬の空のような、静かな暮らしが綴られている、その漫画の面白いこと。

そこからは一気呵成です。

その後大島さんはグーグーという名前の、気のいい猫(あと他にも3匹の猫ちゃんがいるらしい)と暮らし、同じに扱っていいものか、私んちでも二匹の猫と縁あって暮らしてます。(タイトルの琥珀色、翡翠色は、家の猫の瞳のいろでおます。)

「サバ」との暮らしがあったから、今の猫たちをより理解できるし、病気とか付き合い方に気を配れる、「サバが今の猫たちを守っている」のだ、と作品の中で大島さんは語っておられます。

でもサバに守られているのは、大島さんちの猫だけではなく、私の家の猫も、大いにその恩恵を受けているわけです。そして、あとから考えても、「サバ」シリーズがなければ私はずっと大島弓子という豊かな庭園を、一生知らずに過ごしてしまったんではないか、と思うのです。

「サバ」は今はもう、俗世にはいない猫です。

だから、いつか、私もそこに逝くときは、ぜひサバにお会いして、お礼を述べなければ、と思う今日この頃です。

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